人生のフィールド

  • 2008/01/15(火) 00:44:01

20代の初め頃、やっと就職できた当時の彼氏があっと言う間にその仕事を辞めてしまい、問い詰めた私に彼が言った言葉。

『あそこは俺のフィールドじゃないんだよ』

その時は、『ハァ?何寝とぼけた事言ってるんだよ!』と即座に思った。思っただけだ、言ってはいない(笑)。

時を経て、私は今就職難にブチ当たっている。
何度か書いてきたが、飲食のサービス業が自分に合っている。しかし体力的、環境面、あらゆる条件は私には向いていない。どうしても、好きな仕事を続ける事が出来ないのだ。
さりとて、派遣として企業に勤めるのも、精神的にはかなり辛い。これは、私の心の中に別の仕事への憧れが根ざしているからで、これはもう、仕方の無いことと腹をくくっている。

今は派遣の仕事を探しつつ、とりあえずのバイトをしている。良い年してフリーターだ。全くイヤになってしまう。周りは皆20代。20代後半ともなれば、このバイトでもかなり大御所。そんな中、遥かに年齢では上を行く私は、ヘラヘラと適当に働いている。
さて何のバイトかというと、いわゆる配膳というヤツだ。全く飲食のサービスを知らない方のために説明させていただくと、飲食のサービスのプロとして単発(時に常勤扱いもあり)で各所に赴き、人手の足りない現場を補うというもの。
良くあるのはホテルの宴会ヘルプ。結婚式などが立て込んでいる時だけ、ホテルの従業員として宴会サービスを手伝うのだ。手伝うと言っても、適当にあぶれ仕事をやるのではなくて、きちんと1スタッフとして働かなくてはならないので、これが中々大変なのだ。右も左も解らない初めての現場で、プロとして、ベテラン並みの仕事を要求される。

私が今お世話になっている紹介所は、基本ホテルでの仕事は無い。その代わり、『○○会館』などという所や、既存のレストランの宴会場などでパーティーのヘルプをしたり、料理のケータリングを兼ねて、普通の会社や施設に行ったりする。行く場所は様々で、時には警察署や自衛隊なんて場所もあり、普段覗けない部分が観られるので結構楽しかったりする。

結局、今は元の仕事に戻っているわけだが、酷い外反母趾で長時間立ってるだけで焼け付くような痛みを伴うし、腰痛は心配だし、方向音痴で地図が読めない私は、毎回違う場所に行く事にことさら神経を使う(笑)。腰掛仕事と思っているので、目立つ事はしたくない。それでも、目の前にある仕事を人並みにこなしているつもりだ。
しかし先日、時折お世話になるケータリング会社から、『専属』で働かないか?との誘いを受けた。受けてしまえば結構給料は良いはずだし、配膳としてやるので、時間も融通が効く。
この仕事をしていると、実は人手が常に足りない事に気が付く。暫くやっていれば誰しもこういうお誘いを受けるようなのだが、私としてはかなり適当にこなしていたつもりだったので、正直驚いた。『ちょっと話があるんだけど』と別室に呼ばれた時は、『ちゃんと働け!』とお叱りを受けるものと覚悟したぐらいだ(笑)。
また別に、友人の誘いで何度かジャズ・バーの手伝いをしに行ったのだが、そこのオーナーからもある構想を聞かされ、マネージャー扱いで本格的に働かないか?と誘いを受けた。これはまだ構想段階なのでなんとも言えないが、現実化するならば、こちらも勤務条件、給料共にかなり良い。思えばかつてホテルで働いていた時も、辞める意思を伝えた際に、別室に監禁されて延々と説得されたものだった。

さて思うのは、10年ほど派遣社員をやってきて、『美味しい話』などは1度も無かった。一度だけ、派遣先の会社から社員の誘いもあるにはあったが、結果的にこの会社は潰れているので、社員になっていたとしても、現状は変わらなかっただろう。
反して、今の仕事も手伝いで行ったジャズ・バーも、かつてのホテルの時も、自分では差して人並み外れて仕事が出来ているとは思わない。謙遜でも何でも無くて、全て『お手伝いレベル』を脱してるわけではないし、ベテランというには程遠いものであるのは、働いている期間からもはっきりしている。物のある場所が解らない、店の決まり事も解らない、いつでも誰かに何かを聞きながらやっている。それでもそうして特別な計らいを申し出てくれるというのは、もちろん非常にありがたい事だ。
飲食のサービスなんぞ誰でもできる!というのが私の自論だ。だからこそ、かつての私は自分の仕事に自信を持つ事が出来なかった。それでも、やっていた事というのは肌身に残るようで、時を経て再開したとしても、その痕跡は如実に現れるようだ。今も良く、『ホテルで働いていたでしょ?』と言われる。良いサービスを経験(強制されて?)していると、そうした姿勢はおのずから滲み出てくるらしく、立ち姿などから解るそうなのだ。

そこで、かつての彼氏の台詞が蘇った。これも何度も書いているが、運命論者としては、あながち無視できない言葉であったのだ。
かつて飲食のサービス業で働いていた時の私は、プライベートも比較的充実していた。仕事は勿論忙しかったが、友達もいて、恋人もいて、仕事も確実にステップアップして、給料も伴って増えていた。『若さ』と言うのもあったのだろうが、果たして、事はそんな風に、目に見える事実だけの問題なのだろうか?
かつて、『沖縄に行って働きたいの!』と言ったらば、職場の人が『友達が沖縄にいるから仕事を聞いてあげる』と返し、あれよあれよという間に仕事が決まり、何の苦も無く数ヶ月ごには沖縄で働いていた。例えばそんな事からも、人は決められた、いるべきフィールドにいれば、あらゆる運命の輪ががっちりとはまり、上手く人生が回るのではないだろうか?
世迷い事と言ってくれるな、実は少し前からそんな事を漠然と考え始めていたのだが、今は更に強く思うようになっている。仕事が決まらない!とあたふたしていて、助けの手が差し伸べられたのが全て飲食のサービス業ともなれば、無視してもいられないと言おうもの。
また元の仕事に戻る・・・。それは考えただけでも恐ろしい決断だ。将来に対する不安が増える。たとえそれが『運命の場所』と言われても、勇気を持つにはいささか土台が頼りない。

運命とは切り開くもの。宿命とは、持って生まれたもの。果たして私にとって、飲食のサービスは運命なのか宿命なのか?私としては、運命なのだと思いたい。それならば、別の運命を切り開いていく事が出来るから。宿命だとしたら、甚だ過酷な宿命だと思わずにはいられない。
私は元来、とことん『安定』を求める性質なのだ。人に使われていれば安心だ、自分で何かを始めるなど・・・もってのほか。飲食の仕事をしていたら、いずれは『自分で何か』を始めなければゴールは見えない。そしてその何かは、決して安定など得られない、闘いの場である。
小心者で賭け事が苦手で、自分に自信が無い私としては、そんな事に己が人生を賭けるのは、どう考えても無理なのだ。
しかしこれが宿命だとするならば、私は飲食のサービス業をしていなければ、今後の人生、陽の目が見られないという事になるのか?実際今の生活は楽しい。久し振りにサービスをやって、我ながら水を得た魚だなと思える(笑)。はてさて、この問題、どう捉えたら良いものか。
私のフィールドは、一体どこにあるのだろうか?

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この記事に対するコメント

>ウースター嬢さん

こちらこそ!宜しくお願いします。
長々書き連ねているblogですが、楽しんでいただければ幸いです♪

自分のフィールドと言える場所をハッキリと自覚している、それだけでもとても素晴らしい事。ましてそこを貫けるというのは、やはりとても羨ましいです。
私はなんとか別の腰掛仕事を見つけたので(笑)、これから、別のフィールド探しに勤しみます!

>ゆっきーさん
はい〜、頑張りますよ!今は充電期間なんです、きっと。
と言っても、ここ2年ばかりは、充電しまくりなんですけど(笑)。
今年はちょっと映画鑑賞もゆっくりしにして、勉強できる環境作りをしていこうと思います〜。
友達って、いてくれればそれで良いんですよ♪ゆっきーさんの存在も、とても励みになっていますよん。

  • 投稿者: hiyo
  • 2008/01/16(水) 14:18:48
  • [編集]

誰しもが安定を求めたいと思うものだよ。。
でも、今いろいろ苦労してることが将来きっといい方向に自分にかえってくると思うよ。
友達として何もしてあげられないけど、日々いつも思ってます。
hiyoなら人生を切り開けるってそう思ってるから、がんばってほしいと思います。
そして、私がかなえられなかった夢を是非はたしてほしいです。

  • 投稿者: ゆっきー
  • 2008/01/16(水) 10:30:13
  • [編集]

おはようございます

おはようございます。リンクをしていただいて、ありがとうございました。こちらこそ、何卒よろしくお願いいたします。映画も読書好きだけれど、作品とじっくりと向かい合うことが少ない私としては、hiyoさんの丁寧なレピューにただ感服しています。

私は頑固に自分のフィールドを突っ走ってきた人間ですが、人並みに会社勤めも経験してみました。そのおかげで、自分のすべきこと(そして、いかに私が会社勤めに不向きかも!本当に・・・)を再自覚させられました。

立ち居振る舞いのきれいな女性は体力的にもご苦労をされているのですね。ご自分をいたわりつつ、お仕事を探されてくださいませ。






  • 投稿者: ウースター嬢
  • 2008/01/15(火) 11:19:41
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