『ヘンダーソン夫人の贈り物』

  • 2008/01/20(日) 21:27:23

〔英〕MRS. HENDERSON PRESENTS (2005年)
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:マーティン・シャーマン
ジュディ・デンチ/ボブ・ホスキンス/ウィル・ヤング/クリストファー・ゲスト/ケリー・ライリー/セルマ・バーロウ/アンナ・ブリュースター/ロザリンド・ヘルステッド/サラ・ソルマーニ


1937年、夫を亡くした富豪のローラ・ヘンダーソンは、その活動的な性分から、未亡人としてのありきたりな活動が肌に合わずに悶々としていた。廃墟の劇場を購入した夫人は、支配人ヴァンダム氏と共に、画期的な劇場経営を進めていく。ヌードを芸術的に見せるという試みは大当たりするが、第二次世界大戦の激化と共に、劇場経営にも暗雲が立ち込め始める。しかし頑なに閉鎖を拒むヘンダーソン夫人。その心の裏には、ある秘密が隠されていた。

ヘンダーソン夫人に扮するJ・デンチ、ヘンダーソン夫人と見事なコンビを作り上げるヴァンダム氏扮するB・ホスキンス、この2人の主演軸がなんとも素晴らしい。・・・しかし、素晴らしすぎるのね。映画の雰囲気としては、残念ながら超一流娯楽大作の水準には達していないものの、主演2人は一流の極み。その為、他の役者の影が薄いことこの上ない。
K・ライリーなんて、もっと上手い使い方もあったろうに?と思うと、勿体無いやら残念やら。ポップ・アイドル、W・ヤングも、映画初出演ながら良い存在感だったと思うのだが、どうしたって主演2人の大いなる影に隠れてしまう。役者の力量のバランスが悪いという印象。
物語も実話ベースで、ヘンダーソン夫人の隠された思いや、戦時中の兵士達の物語、ヌードを見せるというタブーに挑んだ演劇界の人々の熱意、あの時代だったから生まれた様々な感動的なエピソードが程よく描かれていて、充実感はバッチリ。
だったら、主演俳優がもっとヘボかったら良いのか?というと全く違い、単に演出の問題なのかなぁ?と思われる。脇役陣にもう少し光を!という感じだろうか。モーリーンのラストのエピソードも、J・デンチの圧巻ぶりにあっけなくかっさらわれたという感じだったしなぁ。
それ故に、J・デンチとB・ホスキンス2人のシーンはとにかく凄い。J・デンチの変身振りも凄いのだ。時にみっともなく、時に華やかに、まして妖艶にすら見えるときもあり。そして母であり、女でありという70歳、ヘンダーソン夫人を演じきっている。むしろ見方を替えると、あのJ・デンチについていけていたのが、B・ホスキンスだけだったのかも?
さてちょっと気になる事が。活動的で気の強いヘンダーソン夫人のはずだが、実は世間知らずのお嬢様がお年を召した感じ。裕福で優しくて、『貧しい』という事を芯から理解していない、そんな穏やかな夫人なのだ。そのヘンダーソン夫人に対して、雇われ支配人のヴァンダム氏はちょっと厳しすぎやしないか?何もあそこまでしなくても・・・という気がちょっとして、丁々発止のやりとり!という面白さは余り感じなかった。
物語が好みである。反戦という強いメッセージでは無く、1人の人間が、戦争と言う無為な脅威に晒された時に感じる虚無感、そんなものが全面に現れている。とても身近で、そして良く語られる事柄ではあるが、それを『ヌード』という、一見すると奇抜な要素を使って上手く表わしている。ヘンダーソン夫人の語る息子への思い、そして息子同然の若い兵士達。まさに、まさにヘンダーソン夫人プレゼンツ!なわけだ。例えばあの状況で、普通の(夫人は富豪だったのだが)人が与えられる、もしかしたら最高の、人間としての嬉しい贈り物だったのかも?
作り物感は目立ったが、それゆえ戦中の時代を上手く表わしたセット。衣装やメイクなど、そしてダンスに歌。娯楽としての楽しい要素に絡み合う、物語のシリアスなメッセージ。それを的確に盛り上げる監督の手腕。大げさではないけれど、良い映画に出会ったとじっくりと感じられる。素晴らしい俳優によって、美しい物語によって、強い意志を持った、実際の女性によって語られる、人生に明るさを灯す素敵な映画。まさに、灯火管制よサラバ!と謳いあげたいね(笑)。

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(2007/11/21)
ジュディ・デンチ;ボブ・ホスキンス;クリストファー・ゲスト;ケリー・ライリー

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ぜひ、お薦めです

ウースター嬢さんこんばんわ!
ポスターは、綺麗じゃないですかぁ(笑)。
しかもご友人の妹さんが出られてるなんて!と言いつつ、すみません、どなたかは不明。
ヌードはとても芸術的に扱われていて、深い意味も込められています。大衆のためのヌードであったかも知れませんが、決して良くある大衆のためではない。
イギリスらしさもコミカルに表現されているので、ウースター嬢さんならきっと楽しめると思います!

  • 投稿者: hiyo
  • 2008/01/22(火) 23:14:25
  • [編集]

今日は!
この映画はポスターでちょっと引いてしまって見逃していたんですよね。でも、そういう時代背景を背負った作品だったとは知らなかった。機会があったら観てみようかな。
このポスターの左端の女の子、仲のいい年下の友人の同級生なんですって。もっといい役をやれるのに、なんて言っていました。

  • 投稿者: ウースター嬢
  • 2008/01/22(火) 09:57:48
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