『ハロルド・スミスに何が起こったか?』

  • 2008/02/11(月) 22:18:10

〔英〕WHAT EVER HAPPENED TO HAROLD SMITH? (1999年)
監督:ピーター・ヒューイット
脚本:ベン・スタイナー
トム・コートネイ/マイケル・レジー/ローラ・フレイザー/ルル/スティーヴン・フライ/デヴィッド・シューリス/マーク・ウィリアムズ/チャールズ・サイモン/チャーリー・ハナム


1977年、ディスコ・ブームで若者が踊り狂い、ユリ・ゲラーが超能力を話題にした頃、法律事務所で働くヴィンスはパンクスのジョアンナに恋をした。父ハロルドは朴訥で地味な男だが、実は凄い超能力の持ち主。老人ホームでその能力を使ったために老人3人が死亡、殺人の嫌疑をかけられた事から有名人になってしまう。本物か嘘か?の論議が繰り返され、父の殺人容疑は晴れないまま。母の浮気も発覚して、ヴィンスは悩める青春時代を送っていた。

いや〜〜、最高この映画(笑)。『ビルとテッドの大冒険』の監督、懐かしいねぇ〜。詳しい事は余り憶えていないが(笑)、バカらしくて面白くて夢中になったのだけは覚えている。この作品は、『ビルとテッド』に比べるとバカらしさはかなり控えめ・・・だと思うけど?どうだろ(笑)。
1970年代後半のイギリスのブームを、という事は日本でもほぼ同時期にブームになったものを満載にして贈る、面白くて少しだけホロリとさせて、恋あり、家族の愛あり、愛憎ありの、イギリス発、という事でちょっとだけ地味目な扱いの娯楽作品だ。
堅物な父親に窒息寸前のジョアンナはパンクに走り、安泰な(だと思っていた)家庭に暮すヴィンスは穏やかな青年。この2人の恋の在り方も、時代を反映させた若者像を的確に捉えていたのじゃないか?と。パンクとディスコ・ミュージックという2つの対比、そこから生まれるはっきりとした若者文化の違いも面白かった。攻撃的なパンクといささかブルジョワ的なディスコ派。その2つが最後に融合していく様は中々見物だった。パンクとディスコって同居した世代だったのねぇと改めて思うと共に、その毛色の違いを上手く利用した作りはお見事。
そうした若者文化に絡まってくるのが、老若男女を巻き込んだ『超能力』ブーム。映画全体では、父ハロルドと絡む超能力ネタの方が有力で、ロマンスというよりは父と息子の思い出を描いた家族ドラマと言った印象。一家を巻き込んだ父の騒動と、そこから誘発された数々の問題を、青春真っ盛りだったヴィンスの目線で語った感じかな。
地味ながら役者陣がまた良いんだ。父ハロルド役のT・コートネイトの昼行灯的な感じも様になっているが、だからこそ数多くの笑いが呼び起こされる。弁護士のD・シューリスは必見。いや〜、見てるだけで笑えるんだわ。ドラマではジーヴスを演じたS・フライが、ジョアンナの堅物親父を演じているが、これもまた・・・いや、良いわ。
オヤジ陣のほとんど怪演とも言えそうな熱演に圧されて(笑)、女優陣はちょっと控え目。若者陣もちょいと控え目だったのだが、ヴィンス役のM・レジーが・・・あら、『アンジェラの灰』のオールド・フランクの子じゃないの!あの映画で気になってはいたのだが、余り映画には出演していないので残念だったが、よもやこんなところでお目にかかろうとは。
可愛らしい顔にまといつくなんとも言えない『もさ〜』っとした雰囲気、フランクを演じた時も、醸し出される頼りなさと貧乏ぽさが非常にマッチしていたのだが、今回もその雰囲気が役柄に大きく貢献していた。のほほんと育ち、何の心配も無いはずだったのに、いきなり父の能力と母の乱行が暴かれて狼狽するヴィンス。強いジョアンナに気圧されっぱなしのヴィンス。いきなりパンクに転向してみたが、どうもしっくり決まらないヴィンス。。。いや〜、ぴったり。
思い出したのだが、何故この映画を見ようと思ったかというと、C・ハナムが出ていたからだった。今では良い役者に育って・・・いるはずのC・ハナムはまだ19歳の頃の作品。おぼこさが残るものの、『フーリガン』を髣髴とさせる演技が見られて良かった。パンク姿も様になってる(笑)。
結構心温まるエンディングだったし、コメディ要素も制御が効いていて、おまけにバカらしさもブラックな感じで個人的にはかなり好みの作品。良い拾い物をした気分だ♪

ミラクル*ショー〜ハロルド・スミスに何が起こったか?〜ミラクル*ショー〜ハロルド・スミスに何が起こったか?〜
(2001/11/22)
トム・コートネイ、マイケル・レジー 他

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