少し遅れのバレンタイン

  • 2008/02/16(土) 00:46:56

日付変わって、一昨日はバレンタイン・デイだった。『聖バレンタインの日』。『聖』と言うだけあってもちろん聖人の日。という事で西洋のイベントだ。この聖バレンタインというのは、実在したか否か?賛否両論の聖人様なんである。そりゃ2000年近く前の話だ、正確性なんて望むべくもない。
とにかく、その発端は諸説様々ではあるが、欧米では2月14日には恋人達はプレゼントやカードを交換し、2人きりの甘い時間を過ごすそうだ。チョコレートを贈る風習は海外でもあり、これはイギリスから発生したらしいが、やはり日本と同じく、チョコレート会社の陰謀によるものらしい(笑)。

さて、これまで私は、バレンタインに勃発する日本の狂騒は、クリスマスですらまだマシといったような、勘違いの極みと思っていた。しかしその起源を考えてみると、あながち『間違い』と切り捨ててしまえないような気がして来た。
この日の起源に関する説としては、存在は定かではないがウァレンティヌスまたはヴァレンタイン、またはヴァレンティノとか呼ばれる男が処刑されたのが2月14日というもの。その処刑にまつわる出来事が諸説様々で、何かしら『恋愛』に絡んだエピソードがあるようだ。
と言う事で、『キリストの誕生日』のように、ハッキリとした要因が示されているわけでもないのが、2月14日のバレンタイン・デイ。ルペルカリア祭(2月15日)の前夜祭における、古代ローマ時代の出来事、かつて2月14日は女神ユノの祝日であったらしい事、そのへんの習慣の名残として、『愛を確かめ合う』という端的な行動として残ったのじゃないか?と勝手に推察するが、要はこの日は、聖人を崇める気持ちがあるのなら、何やっちゃったって良いのじゃないか?『愛を伝える』という気持ちさえあれば。

要するに、女性に限定されていようが何だろうが、日本のバレンタインの姿は間違っちゃいないと言えるのでは?大方の日本人はキリスト教ではないかも知れないが、そこはほら、キリスト教の方々も、別の宗教の民を『迷える子羊』なんて呼んで勝手に迷わせちゃってるぐらいだから、多めに見てくれる、、、いやむしろ、我が宗教にウェルカム!ぐらい懐が深いところを見せてくれるはず。

こうして現在の日本におけるバレンタインの有様を考えるにつけ、つくづく『日本らしい』発展を遂げているなと思えて興味深い。今やチョコの呼び名は『本命』『義理』『友達』と多岐に渡っている。その呼び名で考えると、あらゆる男性に何かしらの役割が当てはまる。要するに2月14日は、女性にとっては『お歳暮』と『お中元』がまとめて来ているようなものなのだろう。
礼節を重んじるDNAが脈々と息づく日本人らしいというか、気がつけば『お礼の日』になっているような気がする。お礼とまでは行かなくても、義理だなんだで会社の人、友達連中などなど漏れがない様に気を使い、貰えない人がいたら可哀想!とばかりに慌しくチョコレートを用意する。『あの人にあげたら、角がたつからあの人にも』それが次第に輪を広げて行く。
最初の頃は趣旨通り、『好きな人だけ』だったのだろう。それが気を使い始めたら留まるところを知らず、という辺りがまた日本らしいと私は思う。私が小学校の頃で既に『義理チョコ』の存在はあったので、この風習は割に早く定着したのだろうと思われる。
こういう仕来りも、何か良いんじゃないかな?と思う。日本らしさが微笑ましくすら感じる。それに年に一度くらい、ちょっとしたお礼をする日があっても良いのじゃないだろうか?もちろん、頑張った女性には、1ヵ月後にはちゃんとした見返りもあるわけだし(笑)。

そもそも愛情などをストレートに出すのが苦手な民族である日本人、お返しの日までがきっちり決まっているのも面白い。つくづく、日本人の特性を色濃く反映しながら発展してきたイベントなのだなと思う。
『ほんのつまらない物ですが』こうした謙遜の気持ちは、欧米の方々にはなかなか理解し辛いものだそうだ。『つまらないなら渡すな!』というね(笑)。『愚妻ですから』なんてのも、直訳するとかなり驚かれる。『自分の愛する奥さんを堂々とコケにする』そんな奇妙な日本文化である。そしてバレンタインは、礼節と気遣いという実に『日本らしい』部分を大きく反映させた、独自のイベントとして成長しているのだ。
男性陣にとっては、この日はチョコレートが『幾つ』貰えたか?が結構大事なポイントらしい。そもそも『愛する人だけに』渡すチョコなのだから、『One or nothing』で良いんじゃないか?と思うのだが(笑)、『チョコの数=人気の数』という定説も出来上がっているようだ。
この日はオフィスにも、いつも以上に笑顔が飛び交う。チョコを配って歩く女性達、嬉しげに受け取る男性陣。喜ばせたいという気持ちから、素直に嬉しいという気持ちへ。プレゼントが幾らだの、お返しも想定してだの、ちょっとばかりギスギスしがちな『恋人』達より、よほど和やかで気持ちも浮き立つ光景じゃないだろうか(笑)。
バレンタイン・デイはそもそも西洋のイベント、しかし日本のそれは、まさに独自のイベントとしてすっかり確立されている。趣旨は『愛情を込めて』、それだけは忘れずに。会社のおじちゃま達もたくさんの愛情を受け取った事だろう。さて皆さんは、どんなバレンタイン・デイを過ごしただろうか?

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