『Wild About Harry』

〔愛/英〕放題:ハリーに夢中 (2000年)
監督:Declan Lowney
脚本:Colin Bateman
Brendan Gleeson/Amanda Donohoe/James Nesbitt/Adrian Dunbar/Bronagh Gallagher/Ruth McCabe/Doon Mackichan/Paul Barber/George Wendt/Henry Deazley/Billy Donnelly/Irene Maxwell/Terence Corrigan

地元TVで人気の司会者であるハリーは、女・酒癖の悪さから連日ゴシップ紙の一面を飾っていた。そのため、長年連れ添った妻ルースにも息子にも愛想を尽かさ、離婚訴訟の真っ最中。判決の当日、前日の事故がきっかけでハリーは昏睡状態に。意識を取り戻した時、ハリーの25年分の記憶は無くなり、18歳の頃に戻っていた。ルースを純粋に愛し、酒もやらず、未来を信じていたあの頃に。生まれ変わったハリーは、ルースの心を取り戻そうと奮闘する。

『N.アイルランド・フィルム・フェスティバル』、鑑賞第2弾作品。。
おバカな笑いもちょっぴり混ざったドタバタコメディかと思ったら、意外とハートに優しい普通のドラマだった。こちら脚本がコリン・ベイトマン。『ジャックと離婚』の原作者だ。この作品を読んだ時も思ったが、それとなく社会風刺や問題を取り混ぜ、全体をコミカルにまとめ、重すぎず軽すぎず、バランス感の良い物語を仕上げる人だ。プロットも単純ではなく、娯楽としての面白さの水準もきちんと保っている。北アイルランドらしさ、というのはなかなか微妙なものだと思うが、コリン・ベイトマンの作品にはそれがあると、個人的には思っている。
25年分の記憶がすっぽり抜け落ちてしまう。人生をリセットして、やり直しの機会を貰った。割に良くあるプロットだが、この作品には少しばかりの現実味がある。現実味がある分、単純に出直せるチャンスではあり得ないと疑問に思う部分があり、そこがまた、この映画の面白いところになるのだろう。
ハリーは過去の負債をしっかりと抱えたまま記憶を無くしている訳だが、そうした悪行との折り合いがいまいちしっかりと描かれていなかったのが残念だ。しかしこれはロマンス・コメディーとしての色合いが強いので、妻とのあれこれ以外に、悪行とのあれこれまで描いたらとんでもない長さになってしまいそう。適度な省略で丁度良かったのかも知れない。悪行との折り合いと言えば、違った形でジェイムズ・ネズビットを登場させ、1つだが大きな決着をつけさせてもいるし。
しかしジェイムズ・ネズビット・・・凄かったわ(笑)。
18歳に気持ちだけ戻ったハリーは確かに良い奴で、妻ルースが懐柔されるのも解らなくもないのだが、その辺の過程が簡単すぎて、ルースのキャラクターから考えても少し不自然。しかしちゃんと捻ったオチが用意されていて、思わずにんまり。18歳に逆戻りしたハリー、そこから辿る道は一からでもあり、単純にそうとも言い切れない。状況は変わらないわけだから、過ちを繰り返すか否かはハリーの心持次第なわけだ。それを理解させるためにも、ルースの取った行動は唯一無二、上手いオチだと思う。
と言う事で概ね満足なのだが、唯一消化不全なのが、精神だけ18歳のハリーと帯同せざるを得ない43歳のハリーの実生活との、本来なら発生せざるを得ないだろうアンバランスさが殆ど見えなかった事。ハリーが余りにも自然に43歳の自分を受け入れちゃってて、何だか不自然だった。逆境を素直に受け止めるアイルランド気質と言い切れば、妙に納得してしまうのだけど(笑)。
主演のブレンダン・グリーソンの、泣きの演技が良かった。『アイルランドのドパルデュー』とか言われているそうで、確かに確かに、この映画を観たら、その呼び声は納得だ。
割合と事がハリーの良いように運び、苦痛や悲壮感などとは無縁のまま物語は終わる。ちょっと都合良すぎやしないか?と思いつつも、面白かったので良し。人生の再生物語というとちょっとばかり重たい映画を想像するが、適度な軽さと気の抜けた感動度合いが心地良く、シリアスとコメディのバランス感が、非常にアイルランドらしいとバランスだと思える作品だった。
Comment : 0
TrackBack : 0
Category : 映画【ロマ・コメ】 | Thema : 映画祭 | Genre : 映画 |

COMMENT

Comment Form


秘密にする
 

TRACKBACK

TrackBack List

プロフィール

hiyo

  • Author:hiyo
  • たった二つの趣味、映画と読書を中心に、日記を書いてみたいと思います。
    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。


Now on-line

現在の閲覧者数:


Thanks for visiting


カレンダー

09 | 2008/10 | 11
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -


最近の記事


最近のコメント


最近のトラックバック


カテゴリー


リンク

このブログをリンクに追加する


最近のイチオシ!

ここ最近でイチオシの作品です


おすすめ!Novel

現時点でお薦めの3作品を紹介しています。

いい小説に出会ったら、入れ替わります♪


おすすめ!Movie

現時点でお薦めの3作をご紹介しています。

いい映画に出会ったら、 入れ替わります♪


Last fm

Weekly Top Artists


ブログ内検索


7&Y


amazon


天気予報


-天気予報コム- -FC2-


RSSフィード


Copyright © * WanderLust *=memorandum for me= All Rights reserved.
Designed by サリイ  featuring "AK-HalloweenParty" from あくび印
ホームページ アフィリエイト レンタルサーバー FC2ブログ