『プレステージ』
〔米〕THE PRESTIGE (2006年)
監督:クリストファー・ノーラン
原作:クリストファー・プリースト
脚本:クリストファー・ノーラン/ジョナサン・ノーラン
ヒュー・ジャックマン/クリスチャン・ベイル/マイケル・ケイン/スカーレット・ヨハンソン/パイパー・ペラーボ/レベッカ・ホール/デヴィッド・ボウイ/アンディ・サーキス/エドワード・ヒバート/サマンサ・マハリン/ダニエル・デイヴィス/ジム・ピドック/クリストファー・ニーム
20世紀初頭のイギリス、一流のマジシャンを目指す2人の若者がいた。アンジャーとボーデンは共に別のマジシャンのサクラをやりながら、自分達が舞台に立つチャンスを狙っていた。しかしボーデンが起こした事故のためにアンジャーの妻が亡くなってから、2人の間には修復し難い敵愾心が生まれてしまう。各々が名の売れたマジシャンへと成長する内に、そうした敵愾心は相手に対する妬み嫉みを伴った執着に取って代わられる。アンジャーに至っては、果たすべくは復讐ではなくボーデンの秘密を暴く事に集約され、ボーデンが産み出した驚くべき『人間瞬間移動』のタネを探ろうと躍起になる。そしてアンジャーが辿り着いた、瞬間移動の驚くべき真相とは?
確か2〜3年程前にこの原作を読んだのだが、このblogには感想が無い、あれ?当時既に映画制作の話を聞いており、配役は未定だったものの漠然と楽しみにしていた。何故か?私にとっては、原作が難し過ぎたからだ(笑)。確か、2人のマジシャンの子孫か何かの現在から過去へ遡り、語り部が色々に変わる、というスタイルだったように思う。より高度な仕掛けを用いるアンジャーの装置の描写など、とりわけマジックに関する『装置』『手法』の描写が細かいながらも難しく、全く理解できなかったのを覚えている。途中から面倒臭くなって(笑)、とにかくこれは『人間を瞬間移動させるための道具なのだ』という基本事実だけを記憶に留めての読書。しかしそうすると、物語の1/3は流し読み、、、?というぐらい緻密な描写であったのだ。
そんな訳で・・・、小説の方は手放しで面白い!とは言い難く、映像で見たら少しはマシかも?という期待感がまずあった。配役を聞いてからは尚の事、楽しみはいや増すばかり。小説を読んだ時の印象からは、今回の配役は全く脳裏に描けなかったものの、実際嬉しい驚きだった。
と言うことで、原作の方は『人間瞬間移動』に関するエピソードがずっと長くて緻密だ。それにまつわるボーデンとアンジャーの確執も格段に深く描かれている。それがある故に、小説の方はミステリーや種明かしを含んだサスペンス等と単純には片付けられず、マジック界の頂点を極めんとした男2人の、愛憎入り混じる攻防戦と言った趣がある。お互いへの異常なまでの執着と妬みが増幅し、何とかして相手を出し抜こう画策するのだが、追い抜き越されする内に、『最高のマジックの習得』や『有名になりたい』という単純で崇高な目的から、『相手に勝ちたい』というより原始的な気持ちに摩り替わっていく。人間の忌むべき性質の1つであろう羨む気持ちと嫉妬、それを最大限に増幅させた辺りに、冷やかな傍観的感覚と、なんとも後味の悪い不気味さが残った。
そんな訳で、小説は人間ドラマのイメージが強い。確か種明かし自体も大した事は無かったのだが、それ以前にラスト付近では、ボーデンとアンジャーの決着への興味が盛り上がっていて、マジック自体の種なんかどうだって良い、という気持だったのだ。しかし肝心の男2人の結末は、何だか締りが悪くてスッキリしないと思っただけに、詳細はハッキリとは覚えていないのだ(笑)。
ただ言えそうなのは、映画のラストとはちょっと違ったのでは?と言う事。なんか、、、過去からの声みたいなオドロオドロしいラストだったような?何だか最後の数ページだけ、ゴシック・ホラー的雰囲気だったような?・・・う〜ん、思い出せない。
それでも、映画のラストはかなりスッキリ感と希望があるので概ね満足だ。ただボーデンとアンジャーの確執が余り上手く描かれていなかったので、彼等の持つ独特な執着も表現不足だった。そのため観客の視点は、『人間瞬間移動』の種明かしに流れて行くわけで、そのタネのお粗末さに色々と抗議の声が上がっているようだ。個人的には、マジックの種に関してはストーリー上重要性が薄いと思っているので、それなりに上手いまとめ方だったと思ったのではある。
ラスト以外では、小説の要素を上手く取り入れ、視覚で得られる解り易さを十分に生かした作りで良かったと思う。アンジャーの装置の辺りなんて、小説ではさっぱり想像も出来なくなってたし(笑)。物語も良い意味で簡素化されていて、解り易くて良かったのじゃないかな?個人的には、珍しく原作よりも映画の方が楽しめた作品だった。
ぽすれん『プレステージ』紹介
監督:クリストファー・ノーラン
原作:クリストファー・プリースト
脚本:クリストファー・ノーラン/ジョナサン・ノーラン
ヒュー・ジャックマン/クリスチャン・ベイル/マイケル・ケイン/スカーレット・ヨハンソン/パイパー・ペラーボ/レベッカ・ホール/デヴィッド・ボウイ/アンディ・サーキス/エドワード・ヒバート/サマンサ・マハリン/ダニエル・デイヴィス/ジム・ピドック/クリストファー・ニーム
20世紀初頭のイギリス、一流のマジシャンを目指す2人の若者がいた。アンジャーとボーデンは共に別のマジシャンのサクラをやりながら、自分達が舞台に立つチャンスを狙っていた。しかしボーデンが起こした事故のためにアンジャーの妻が亡くなってから、2人の間には修復し難い敵愾心が生まれてしまう。各々が名の売れたマジシャンへと成長する内に、そうした敵愾心は相手に対する妬み嫉みを伴った執着に取って代わられる。アンジャーに至っては、果たすべくは復讐ではなくボーデンの秘密を暴く事に集約され、ボーデンが産み出した驚くべき『人間瞬間移動』のタネを探ろうと躍起になる。そしてアンジャーが辿り着いた、瞬間移動の驚くべき真相とは?
確か2〜3年程前にこの原作を読んだのだが、このblogには感想が無い、あれ?当時既に映画制作の話を聞いており、配役は未定だったものの漠然と楽しみにしていた。何故か?私にとっては、原作が難し過ぎたからだ(笑)。確か、2人のマジシャンの子孫か何かの現在から過去へ遡り、語り部が色々に変わる、というスタイルだったように思う。より高度な仕掛けを用いるアンジャーの装置の描写など、とりわけマジックに関する『装置』『手法』の描写が細かいながらも難しく、全く理解できなかったのを覚えている。途中から面倒臭くなって(笑)、とにかくこれは『人間を瞬間移動させるための道具なのだ』という基本事実だけを記憶に留めての読書。しかしそうすると、物語の1/3は流し読み、、、?というぐらい緻密な描写であったのだ。
そんな訳で・・・、小説の方は手放しで面白い!とは言い難く、映像で見たら少しはマシかも?という期待感がまずあった。配役を聞いてからは尚の事、楽しみはいや増すばかり。小説を読んだ時の印象からは、今回の配役は全く脳裏に描けなかったものの、実際嬉しい驚きだった。
と言うことで、原作の方は『人間瞬間移動』に関するエピソードがずっと長くて緻密だ。それにまつわるボーデンとアンジャーの確執も格段に深く描かれている。それがある故に、小説の方はミステリーや種明かしを含んだサスペンス等と単純には片付けられず、マジック界の頂点を極めんとした男2人の、愛憎入り混じる攻防戦と言った趣がある。お互いへの異常なまでの執着と妬みが増幅し、何とかして相手を出し抜こう画策するのだが、追い抜き越されする内に、『最高のマジックの習得』や『有名になりたい』という単純で崇高な目的から、『相手に勝ちたい』というより原始的な気持ちに摩り替わっていく。人間の忌むべき性質の1つであろう羨む気持ちと嫉妬、それを最大限に増幅させた辺りに、冷やかな傍観的感覚と、なんとも後味の悪い不気味さが残った。
そんな訳で、小説は人間ドラマのイメージが強い。確か種明かし自体も大した事は無かったのだが、それ以前にラスト付近では、ボーデンとアンジャーの決着への興味が盛り上がっていて、マジック自体の種なんかどうだって良い、という気持だったのだ。しかし肝心の男2人の結末は、何だか締りが悪くてスッキリしないと思っただけに、詳細はハッキリとは覚えていないのだ(笑)。
ただ言えそうなのは、映画のラストとはちょっと違ったのでは?と言う事。なんか、、、過去からの声みたいなオドロオドロしいラストだったような?何だか最後の数ページだけ、ゴシック・ホラー的雰囲気だったような?・・・う〜ん、思い出せない。
それでも、映画のラストはかなりスッキリ感と希望があるので概ね満足だ。ただボーデンとアンジャーの確執が余り上手く描かれていなかったので、彼等の持つ独特な執着も表現不足だった。そのため観客の視点は、『人間瞬間移動』の種明かしに流れて行くわけで、そのタネのお粗末さに色々と抗議の声が上がっているようだ。個人的には、マジックの種に関してはストーリー上重要性が薄いと思っているので、それなりに上手いまとめ方だったと思ったのではある。
ラスト以外では、小説の要素を上手く取り入れ、視覚で得られる解り易さを十分に生かした作りで良かったと思う。アンジャーの装置の辺りなんて、小説ではさっぱり想像も出来なくなってたし(笑)。物語も良い意味で簡素化されていて、解り易くて良かったのじゃないかな?個人的には、珍しく原作よりも映画の方が楽しめた作品だった。
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