* WanderLust *=memorandum for me=

読書はライフワーク、映画鑑賞は人生の潤い、旅行は趣味にしたいなぁ♪日記は日々の覚書き。

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『ポルノグラファー』

2013/02/06 20:50 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ジョン・マクガハン 著/豊田 淳 訳/国書刊行会
将来に確たる希望も無く、ポルノ小説を書いて暮らしている僕。それはそこそこの身入りと自由を生み出していた。幼い頃に両親に死なれた僕を育ててくれた伯父と伯母だったが、その伯母が病に侵され、僕の暮らす首都ダブリンの病院へ入院した。気楽な生活に変化が生まれた頃、ダンスホールで知り合った年上の女性と身体の関係になる。愛を求めて止まないその女性から巧みに逃げつつも、関係が断ち切れない。とうとう彼女は妊娠するが、同じころ、伯母の入院先の病院で、黒髪の看護師と出会って恋のようなものに落ちていく・・・。

小さい『ァ』と調音『ー』のお陰で、幾分露骨さが薄れるタイトルだが、それでもついつい掌で隠すように読んでしまう(笑)。と思ったら!中身も時々思いっきり隠して読みたい感じ。小説を読んで電車の中でドギマギしたのなんて久し振り(笑)。
なんというか、数ある著作が神への冒涜と性のタブーを描いたことで発禁処分になったりした著者ではあるが、時代の流れに勢いを得たのか、やりきったね!と言う感じね(笑)。初期の作品は確かに弾劾されたのだろうが、それはアイルランドという風土の賜物。性的な揶揄などより、神への不信などの方が検閲にひっかかったか?という感じだった。
ただねぇ、読ませます。ああ、もうホント、アイルランドの男って・・・と膝を叩きます。もちろん、この主人公が全てを表すステレオタイプではない。この毒気を抜いたタイプもまた、アイルランドの男の姿だと私は思う。のだが?やはりこうした毒気を持ったタイプの方が、遥かに物語の主人公としては扱われやすいのだ。
主人公の僕は、紛れもない純粋な愛情を持つ伯母を失いつつある日々の中で、恐らくは本人も気づかない内に、また別の愛を探している。失いつつ叔母の愛なのか、得ることのなかった両親の愛なのか、単なるさびしんぼうなのか?全く・・・ダメな男だよホント。
とは言え、妊娠した相手を無下に捨てることも出来ず、アイルランドらしい思考回路で一人悩む。この辺の展開は著者が示したアイロニーというか・・・いや、やはり単なる皮肉なんだろうな(笑)。
どっぷりアイルランドの風土を感じ、煮ても焼いても食えない男の物語を堪能。小難しい苦悩が削げ落ちつつある、読み易い作品だったと思う。

ポルノグラファーポルノグラファー
(2011/12/23)
ジョンマクガハン

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『パリ・スケッチブック』

2013/01/24 21:41 ジャンル: Category:読書【コメディ・その他】
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アーウィン・ショー 著/ロナルド・サール 絵/中西 秀男 訳/講談社文庫
第二次大戦のパリ解放で、初めて憧れのパリを訪れたアーウィン・ショー。その後、家族旅行をきっかけにパリに25年間住みついてしまう。異邦人として感じるパリ、だからこそ色あせないパリ、しかし愛するが故に見えてくる不実もまた、パリ。

長年勝手に因縁を感じてたパリに旅行するのをきっかけに、さて、パリで読むなら?と(古)本屋を探していて見つけた本作。正に、異邦人たる私が花の都パリで読むに相応しい一冊!とほくそ笑んだのだが?
ちなみに海外旅行に行く時は、訪れる町や国の息吹をコテコテに感じられる作品を、可能な限り持って行くようにしている。しかしながら、いかんせん必ず訪れるのが『アイルランド』とあっては、中々上手く行かないのが悲しいところ。
しかしパリ!なんと言ってもパリならば!と思ったのだが、イタリアと同じでこれがなかなか見つからないのだ。なぜかって?翻訳されている作品は数あれど、『パリ』を語るものは少ないからだ。舞台がパリならいくらでもあるのだが、その作品からパリを感じられるか?というと、、、ねぇ?いっそのこと『ダヴィンチ・コード』なんかの方がまだ(笑)。
しかし本作は素晴らしい、作品として愛おしい、パリで読むなら最高なのだ。書き手の名手が綴る愛憎入り混じるような日常のパリが、名所をふんだんに生かして描かれている。観光ガイドなんてうっちゃって、本書片手にパリ解放に沸いた古のパリをそぞろ歩き、ヒッピーもたけなわな自由とデモクラシー的な?風潮とが入り混じる、現代を生き始めたパリを覗き見るのも良いだろう。
正直・・・私もそうしたかった・・・。元からパリには少々拒否反応があったのだが、今回の旅行で追い打ちをかけるように打ちのめされた・・・?というか、とにかく生き馬の目を抜くようなパリに翻弄され、ゆっくり小説を読むどころの騒ぎじゃなかったのだ。ただもう、歩いて歩いて並んでへこたれて・・・。
僅か4日間という旅程。そんな短い時間でパリを知ろうだなんて、おふざけんじゃないわよ!とパリの女神に肘鉄を食らったような怒涛の日々を終え、遠く日本でゆっくり読了。それでも、本書によって鮮やかに蘇るパリの姿に、改めてパリに恋し・・・いや、リベンジを誓ったのだった(笑)。
死ぬ前にもう一度、ガイドブックでは無く本書を持って、必ずやパリ!再訪してやろうじゃないの!あ・・・いえ、とにかくなぜか、愛おしさを感じられるエッセイだったのです。特に、パリ解放を描いた冒頭の、猛々しさに混じる高揚感と異国情緒、さすがにI・ショー、読ませませす。

パリ・スケッチブック (講談社文庫)パリ・スケッチブック (講談社文庫)
(1989/05)
アーウィン・ショー

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『ハピネス』

2013/01/24 21:18 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ウィル・ファーガソン 著/村井 智之 訳/アーティストハウスパブリッシャーズ
出版社で自己啓発本の編集者をしているエドウィンは、ジェネレーションX世代の代表として、とかく不満を抱え込んで生きていた。そんなとき、デイジーの花のシールが付いた、ある原稿が持ち込まれる。一見くだらない作品に思えたが、運命の悪戯かこの世の定めか、ゴミ箱から一点出版する運びに。瞬く間にベストセラーとなったその本は、世界中から苦しみや不安を拭い去り、物質的な生活から精神性の高い生活へ人々を誘った。結果、消費世界は崩壊し、世界中がハピネス一色に!そんな世界が我慢ならないエドウィンは、何とかして『世界を救おう』とするのだが?

どう捉えるか、どう捉えたら良いか?いささか悩むよね(笑)。ファンタジーなのか大真面目なのか、物語の論点はどこにあるのか?面白いとは思いつつ、違った意味では笑いのツボがどこにあるのかも悩んでしまった。
大体ね、どれほど良く書けていようとも、ほぼ全世界の人が読んだだけで生活の全てを変えてしまうほど啓発されるなんてことは、絶対にあり得ない。世界の人々はそれほど画一化されていない。それに、もしそんなことになったら、世界で『本を読むことが贅沢』とされているような地域が、どれほど多いかも如実に解るだろう。
と言って、その部分を却下してしまうと、当然この物語は全く成り立たない。ならば、どこまでをファンタジーとして受け入れれば良いんだろう?なんて、変なモヤモヤがあって(笑)。まァ別に、全てを素直に受け入れれば良いんだけどね?それを拒む何かがあった。エドウィンの正確かな?捻くれていて何か癇に障る(笑)。
いずれにろ、たった一冊の自己啓発本によって世界の人は『ハピネス』を手に入れる。彼らの言うハピネスとは、誰も苦しまない、悲しまない、自然と一体になって、自給自足の日々を送ること。まぁ、ヒッピーですよね(笑)。ただし世界中がヒッピーになってしまう。しかも煙草も酒も無しの清い暮らし。
そして当然のことながら、資本主義の卑しい部分が浮き彫りになってくる。しかしシビアに考えれば、やはりその卑しいというか嫌らしい部分が無ければ、世界は回っていかないだろう?と個人的には考える。そうした部分に関して矛盾した描写も多々あったが、概ね壮大な法螺を上手いこと現実的に転化していて面白かった。
それ以外特に、この物語から得るものは無かったのだが(笑)、やはり私も本読み、『私が山の上で学んだこと』を一度は読んでみたいと思った(笑)。

ハピネスハピネス
(2002/11)
ウィル ファーガソン、村井 智之 他

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『路上の文豪、酔いどれジョナサンの「幻の傑作」』

2012/11/15 21:30 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ニック・フリン 著/金原瑞人・中村浩美 訳/イースト・プレス
酒飲みでうだつのあがらない親父は、ニックが子供の頃に出て行った。夢は作家と詩人になること、有名人の知り合いをたくさん持つこと。もちろん、自身も有名になること。そんな親父は、とうとう路上生活者になってしまう。その頃ニックは奔放な青春時代を終え、何故か惹かれるようにホームレスのためのシェルターの仕事に就いていた。否応なしに、親父と息子は同じ町ボストンで顔を合わせることになる。。。

装丁といい、翻訳に金原氏が絡んでいることといい、ホームレスの親父と俺という端的な縮図といい、フリンという苗字とボストンというアイリッシュ臭の強さといい、一発で惹かれて即座に図書館に予約したのだが?
予想していたのとは少々趣が違ったかな・・・と思う。何しろ『親子揃って』詩人志望の家系だ、プロットの割りにどことなく堅苦しい感じは否めない。おまけに、著名な文豪の手法を雑多に投入しているそうで、解説に挙げられた作家のものに加え、明らかにジェイムズ・ジョイス風のセクションまである。『フェネガンズ・ウェイク』風ですよ?こんなのがどかっと真ん中辺りに投入されているの(笑)。斜に構えた感じの作者ではあるけれど、十分に実験的で野心的な作品なのではないかな?
ということで、本作はめでたく映画化され、なんと親父はロバート・デニーロ!・・・似合わない・・・。もっと本格的に汚い人じゃないと・・・。というか、アイルランドの王だと豪語するような親父なのに、イタリアの王になっちゃってるよぉ?そしてニック役はポール・ダノ。こちらもイメージが全然違う・・・。もっと粗野で横暴なイメージなんだけど?
さて、なんとも苦みばしった印象の回顧録だ。回顧録といえば、多少の感動も暖かさもあったりするんじゃないか?などと思うもの。まぁ・・・多少はそんなものもあったかも知れないが、ロクデナシの父親を冷淡なまでに突き放し、それでもどうしても憎みきれないニックの錯綜した思いが主軸となって、父親に浸食されずに済むはずののプライベートまでもが乱されてていく様が描かれる。
これと言って父親を受け入れる動機があったわけではないと思うが、歳を経たからか、ニックは多少の反発を交えながらも父親を受け入れていく。全面的に『赦す』という段階ではないが、確実にある種の愛情を持って親父を受けれいていくのだ。
もしかしたら本当はもっと、愛情深く親父を想っているのかも知れない?そんなことを感じさせるものがあった。しかし文学的な完成度を目指したか、どうしたって単純に認められない複雑さか、作中のニックは最後まで矛盾した愛憎を持ち続けている。果たしてこの親子、最後はどうなっていくのだろう?
複雑な家庭環境であるが故、しかしそれだからこその形で親子として繋がったニックと親父。実際の思い出は上手く作れなかったからこそ、こうしたの形での思い出を残す意義があったのかも知れない。まさに、正しい回顧録の意義って奴なのかしら(笑)。

路上の文豪、酔いどれジョナサンの「幻の傑作」路上の文豪、酔いどれジョナサンの「幻の傑作」
(2012/08/12)
ニック・フリン

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『ぼくの見つけた絶対値』

2012/11/01 08:11 ジャンル: Category:読書【ヤングアダルト】
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キャスリン・アースキン 著/代田 亜香子 訳/作品社
数学者者で技術者でもある『天才』のパパは、息子の事なんてほとんど考えていないのに、彼の将来だけは自分の跡を継ぐと決めてしまっているらしい。ママが亡くなってからしっちゃかめっちゃかの家で、生活能力ゼロのパパの代わりに主婦のように頑張ってきた。それなのに、パパは夏の間ルーマニアに研究に行ってしまい、残ったマイクは遠い田舎の遠い親戚、80歳過ぎのポピーとモーに預けられてしまう。辿りついた田舎町は面白変な人がたくさんで、なんと町をあげてルーマニアから養子を取ろうと計画していた。必要な費用は4万ドル!残された時間はあと僅か。マイクは皆と協力して、養子縁組計画を実現させようと奔走する。

『金原瑞人選オールタイム・ベストYA』とかいう、なんとも嬉し過ぎるシリーズが刊行されている。私の金原氏贔屓は何度もblogに書いてはいるが、あえて改めて言わせて頂こう、金原氏の推薦に間違いは無い、もしも間違いがあったなら、むしろ私の方から謝罪して差し上げよう!
と言うことで、常日頃から『金原瑞人訳』と書いてあれば迷うことなくご購入している私としては、なんとも頼もしいシリーズ。本当にこれまで一度も裏切られたことは無く、むしろ『まぁ、普通だな』と思う作品すらなかったりする。大抵は『最上級』なのだ。
本作は、翻訳こそ違え(もちろん代田氏の翻訳も名訳揃いです)、『ヤングアダルト作品とはかくあるべき』というべき要素が頭から尻尾の先までずっしり詰まった作品だった。無駄と思える文章がほとんどない、くらい私は言っちゃう。
全編を通して貫かれるのは、マイクがぶつけることができない父親への不満・・・や不安か?。マイクが訪れた一夏の田舎には、『まるでパパ』のような大人達がたくさん。マイクは養子縁組計画の責任者にされてしまうが、本人も悪い気はしない。それにパパと違って、彼らはマイクを『奇跡』とまで呼んでくれる。
マイクの鬱憤や怒りの矛先が上手い具合に枝分かれして表現されていくのだけど、それでも解りやすく、分散することで弱まりもせず、それぞれのディティールに融合されて上手い具合に昇華されていく。
とにかくキャラクターが素敵、まさに『愛すべき』奇人変人・・・は言い過ぎかも知れないが(笑)、魅力溢れる人々が紙面狭しと活躍する。ボノの瞳をもった不思議な浮浪者パスト、シャイなパンク少女で銀行の副支配人のグラディス、仕事は意外と真面目な3馬鹿大将、さらには通りすがりの警官までもが物語を彩っていく。
何より、マイクの大伯母モーが最高に愛らしい。困惑するとフードの紐をキュっと引っ張る癖、泣きたくなるなると掃除機をかける健気さ。勝手に色々な言葉を作ってしまう困ったところも全て素敵。親友ティローンとのエピソードは大いに貰い泣きをしたけれど、まさに地域全体のおっかさんと言った大らかな優しさには終始癒されっ放しだった。
痛快な養子縁組計画の流れの中で、喪失の痛みや孤独、悲しみを乗り越えるそれぞれの姿、そして再生と言った重要な要素が巧みに絡んでいく。特にポピーの喪失と再生は一筋縄ではいかなくて、ある意味ではマイクと対照的な、でも同じくらい切ない関係と別離が描かれている。ポピーに対するマイクの態度もハラハラさせるもので、結果的にマイクの少年らしい優しさと率直さと意地悪さ(笑)が、頑固なポピーを救っていく。
そうした要素が絡まりあって突き進んで行く割りに、ラストは割りとあっけなくて、そうしたところも、今時の親子関係にシンクロしているのかな?などと思ったり。でも十分感動できる仕上がりですけどね。
YAは割合と多いけど、いつも以上に一気読み必至の良作だった。

ぼくの見つけた絶対値 (金原瑞人選オールタイム・ベストYA)ぼくの見つけた絶対値 (金原瑞人選オールタイム・ベストYA)
(2012/07/21)
キャスリン・アースキン

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『豚の死なない日』

2012/10/12 23:08 ジャンル: Category:読書【ドラマ】
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ロバート・ニュートン・ペック 著/金原 瑞人 訳/白水社
ロバートは厳格な家族と暮らす13歳の少年だった。シェーカー教の厳格な家庭に育った彼は、豚を殺す仕事をし、家の畑や牧場を守る父を手本に育った。ある時近所の飼い牛のお産を助けたロバートは、お礼に美しい子豚を貰う。その日から豚のピンキーと親友になったロバートは、幸せな日々を過ごしていたのだが、父が結核にかかり、余命が僅かだと知らされる・・・。

大感動のベストセラーだという帯に引かれて購入したのだが、確かに、朴訥とした平凡な家族の物語の中に、なんとも形容し尽くせないほどの物語が詰っていた。よもやこういう話に簡単には心動かされないわよ!などと思ってしまうのだが、まさに『シンプル・イズ・ザ・ベスト』とはこういうことを言うのかな。
在りし日の、でも100年も前ではないアメリカ。そこには現代の生活に必要なものはほとんど無く、家族と、僅かな家具と、質素な糧があるばかり。だけど、豚のピンキーを得たロバートはとことん幸せそう。コンピュータ・ゲームなんて無くても、小川と、夕暮れの胸が締め付けられそうなほどに美しい景色と、優しい母親と、厳しいが尊敬できる父親がいて、ほんの少し、自分が必要とされれば、ロバートは幸せなのだ。
何も持たなければ、もしかしたら本当に幸せなものが得られるのかも?などと思ってしまう。情報なんて、無ければその方が良いのかも?黄金が宿る無知、そんな言葉もあるような気がした。
ただし、牧歌的だとか古き良き時代などという言葉に、妙な無責任さも感じた。ロバートはきっと心から幸せな日々を過ごしただろうが、その反面には、真実に生命すら脅かす悲惨さが潜んでいる。頭では解っているつもりでも、こうした作品に触れるとつくづく思い知らされる。古き良き時代には、遥かにシビアな現実が詰まっていたのだと。
短い話だし、一貫して13歳のロバートの言葉で語られるのでシンプルなのだが、後半に至って父親の死を向かえ、一気に物語が変化していくとき、ロバートの急激な変化に気付かされる。静謐で力強い文章の中に彼の心の成長が目に見えるようで、いつの間にか本作の文学的力に絡め取られていたことに気が付いた。
父親の影を追っていたロバートが、一冬の間に逞しくなり、淡々と別れを受け入れる場面は印象的で、そんな中にも、早くも自らが背負った重圧に憤りを覚える姿が、余計に『大人』になった印象を強めた。続編もあるそうだけど、ロバートが本作以降どのような成長をして行くのか、いずれ確かめたいと思う。


豚の死なない日豚の死なない日
(1996/01)
ロバート・ニュートン・ペック

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パリ3日目、Part1

2012/10/03 04:28 ジャンル: Category:Travel #2012/09#
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02.10.2012 パリ
さて本日は、まだ全く行けていないパリの名所へ。とりあえず、密かに念願だったオスカー・ワイルドのお墓へ。相変わらず地下鉄の解り憎さに翻弄されながらも、割かし簡単に着いたペール・ラシェーズ墓地。ダブリンに引き続き、墓巡りです。
しかしお墓なので、当然標識だとか目印だとかは無い。好天に恵まれた今回の旅行だったが、本日早朝は小雨降る生憎のお天気。薄曇の中の墓地・・・なんとも微妙な雰囲気です。

絶対に迷いたくない!時間をロスしたくない!という頑なな思いと共に、とりあえず予防策で墓地の看板地図を写真に撮り(笑)。大雑把なガイドブックの地図を片手に歩き出す。最初の目印であるピサロのお墓は発見できず、しかし頑張って突き進み、次の目印ジム・モリソンのお墓へ。
しかし確実に、空気は迷う方向へ流れて行く。。。ジムはどこ?と戸惑っていたら、近くにいたおじいさんが『モリソン?モリソン?』と行ってくる。『ウィウィ、モリソン』と返したところ、真直ぐ行って左だ』的なフランス語とジェスチャーで教えてくれた!フランスにもいるんだね、道教えてくれる人(笑)。

無事モリソンのお墓に辿り着いたが、これはあくまで『目安』。ゴメンねモリソン。なんと言っても、お墓に辿り着く数メートル手前までジミ・ヘンドリクッスと勘違いしていた音楽音痴。しかし!数メートル手前でなぜかドアーズの曲が頭に流れてきて、『あ!そうか、ギターが上手い人じゃなくて麻薬の人だ!』と(笑)。本当すみませんモリソンさん。

さて、ようやく見つけたモリソン墓を基点に、更なる探索・・・つかね、ガイドブックの地図が大雑把過ぎるんですよ。円形の広場から道が6本出てるのに、地図には4本しかないの。広大な墓地で迷えって言ってるようなもんでしょ?ということで迷いましたよ、もうバッチリ迷った。
それでも何とかワイルド氏のお墓を見つけたが、聳え立つはずの十字架はぶっ倒れて墓石に装飾されている本のモチーフの上に被さってるわ、モニュメントは落書きだらけで名前も読めないわで散々。パリ市へ委託、何とかして下さいよ、『アイルランド』の文豪なんだから。
帰りしな大好きなモディリアーニと、その側にあるエディット・ピアフのお墓を見ておこうかと思ったが、ご想像通り見つけられず。恐らくこの半径10m以内にはモディのお墓があるのね・・・と想像してお参りしておいた。

その後は、正直ルーブルより楽しみだったオルセー美術館へ。無事辿り着いたは良いが、またしても長蛇の列。長蛇なんてもんじゃない、大蛇級の人の列。20分以上待ってようやく中に入ったが、本日はフランス在住のお友達と1時に待ち合わせており、見学する時間は40分くらいしかない。
イタリアでもスペインでも、大抵の美術館は直ぐ中に入れるのに、パリではとにかく並ばないとどうにもならない。並ぶ時間を計算に入れていなった私は、全てにおいて予定が崩れまくりだったわけです。

旧駅を利用してのオルセー美術館はさすがに素晴らしい室内で、駅の時刻を告げていた大時計が厳かに・・・出発の時間を告げている。ということで、一旦北駅へ友達と会いに引き返す。
無事に友人と会えて、またしてももとの場所に戻ったわけだが、既に私の予定からは大幅にずれ込んでいる。なんだかパリ、どうも上手くことが運ばない・・・。

パリ2日目

2012/10/03 03:04 ジャンル: Category:Travel #2012/09#
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01.10.2012 パリ
パリ・・・私はパリに破れるのか・・・。とアンニュイな気分になりつつも、敗れている場合ではないので頑張る。
前日の疲れかまたしても寝坊し、ホテルを出たのは9時半過ぎ。駅に行き、2日通しの地下鉄券を買おうと思ったら、窓口があり得ない長蛇の列。販売機は『フランス語表示のみ』で、試してみたけどどうやら2日券は売っていないらしい。10回数券に使用と思ったが、値段が余り変わらないので悩む。
とりあえずツーリストインフォメーションに行ったが、すこぶる解りにくい場所にある上に、オフィスに入れるのは1組のみという小ささ。外に長い列が出来ている。ここでミュージアム・パスを買おうと思ったのに、並んでいる時間も勿体無い。
ということで期待を込めて結局一駅先まで歩いたが、やはりフランス語のみの使えない販売機で諦めて1回チケットを買い、乗り込んだ電車は反対方向だったので元いた駅に戻るという漫才張りのおばかさん。

ようやくルーブル美術館のある駅に辿り着いたのは既に1時間を経過した頃だった。しかし駅がアホみたいに広い!その上迷路みたいだし、相変わらず標識は『フランス語』ばっかりだし。周囲には半数くらいの韓国、中国、日本からの旅行者がいるのに、どこまで冷たい国なんだよ・・・あんた。
ということで、ルーブルの駅に降りた途端、正直東京ドーム埋まるんじゃないの?というぐらいの人の半数くらいが東アジア人。主に中国人。そりゃあたしもしつこいくらいに『ニーハオ』言われるわな。
タバコ屋でミュージアム・パスが売っているので買おうかと思ったら、なんと現金のみ。お伝えしたようにキャッシュカードが使えないので、現金は貴重なんす。
諦めて周辺をうろうろしてみたが、どうも周りにいはパスが帰る店が無い様子。何より、もう既にげんなりして歩きたくない気分。
仕方が無いのタバコ屋に戻り、現金で39ユーロのパスを買う。これでむやみやたらと美術館に行かないと元が取れないことになりました(笑)。
そんなこんなで、美術館に入ったのは12時頃。パリ経験者で北駅からの距離をご存知の方なら、どれだけ右往左往して時間がかかったかお分かりと思うが、笑っちゃうぐらい時間かかってます。

そんなこんなでようやく入ったルーブル美術館なんだが・・・?ダメだわこりゃ、いかんわこりゃ。人が多すぎで広すぎで解りにくい!広さと人の多さにかけちゃヴァチカンの美術館も負けてはいないと思うが、なんなんだろうな、この見辛さ?ウィフィッツィ美術館に似てるかな?
所蔵品も実際大したことないんだね(笑)。イタリアの本場の壮麗さを知っちゃうと、ルネッサンス美術なんてまぁまぁの部類だし、やはりフランスは印象派か?などと知ったかぶりをしてみちゃう。

とにかく人と広さで参って早々に美術館を出たのだが、それでも2時間半くらいいたかな。その後はまたしても混乱極まる電車に乗って、ノートルダム大聖堂へ。さすがに壮麗な美しい場所で、思わず身が引き締まるよねぇ。特設展のおばちゃんの態度最悪だけど(笑)。
ミュージアム・パスを買ったので、何が何でも使っちゃる!ということで、塔を上ってみた。
フィレンツェのジョットの塔に告ぐ吐き気満載の行程。昔の人って本当凄いよねぇ。限られた資材と技術で、これほど沢山の階段を・・・。もう1つ凄いと思うのは、長すぎる年月を経て、大理石の階段が凹んでいること。もちろん近年は観光客が沢山やってきて毎日物凄い数の人が登るのだろうけど、それ以前に、コツコツと日々この階段を登った司祭などの姿を思わず想像しちゃう。大抵は陰鬱なモンクがろうそく持って暗い中をひたひたと・・・ってな想像(笑)。

それにしても、とにかく何にでも並ぶ並ぶの名所巡り。見学は並んだ時間の半分もかからなかったりする。日本人は並ぶの好きだよね、などと良く小ばかにされるが、フランス人は並ばせるのが好きだよね!
結局並んだ時間のお陰で、ノートルダム大聖堂を出たのは5時近く、館内見学など出来るものはもう時間が無い。ならば街中見学か?などと考えていたところ、ソルボンヌ大学の哲学教授だという男性に声をかけられた。
良い人そうだったので(笑)。バスティーユまでのんびり散歩がてらパリ案内をお願いし(というか半ば強引に着いてきたという(笑))。ついでにスーパーの場所を教えてもらい(聞かなかったら全然解らない場所にあった!)、無料ガイドにジュースを奢ってもらい(ワインは飲めません!と先手を打った)、バスティーユの牢獄ってもう無いの?と聞いて『だって・・・革命でなくなったし』と言われて生き恥を晒し、買った荷物を持ってホテルまで送ってもらい、『じゃあ!さようなら!』という事で明日も会う約束をしつつこの日は無事終了(笑)。

良くも悪くもパリですよ・・・

2012/10/01 15:10 ジャンル: Category:Travel #2012/09#
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30.09.2012 パリ
ひゃ~、私がパリだって、パリ、なんて似合わない・・・。ということで、パリに来た。9時半頃空港に到着し、今回はちゃんと荷物も出てきて、入国審査は初の『何も聞かれず』通過。審査官の人、隣の同僚とずっと話しながら私の顔も見ずに判子押した。イタリアに次ぐ入国審査の適当な国と判明。そういうところ、嫌いじゃないよ。
さていよいよ、花の都パリへ!と思ったが、とりあえず水を・・・と思ったが!evianしか売ってないし高いし!空港は相変わらず広くてワケ解らんし、ようやく市内に出るB線まで到着した頃には10時半を過ぎていた。
チケット売り場の姉ちゃんは感じ悪いし(この感じ悪さはこの後一日中続く・・・)、電車は汚いし(世界の窓口を繋ぐ電車がここまで汚くて良いのか?と)、地下鉄の表示は不親切この上ないし、エスカレーターほとんどないしエレベーターはもっと無いし!
いや、パリの地下鉄酷い!日本のと言わないまでも、多くの国はバリアフリーを重要視しているはずなのに、長い階段のみとはこれいかに?私が以前のように膝を壊したら、一切地下鉄には乗れないということ。18キロのスーツケース抱えては、もうほとんど地獄。

乗り物音痴の私は案の定反対方向の電車に乗り、ようやく目的駅に着いたものの地上はかなり込み入った町並み、予定時間を大幅にずれ、わかりにくいホテルに着いたのは12時半を回った頃。おまけに本日のパリは快晴も快晴、ほとんど夏の日差し。アイルランドからごっそり着込んできた私にすれば、汗だく必至の日和だった。

そしてホテル・・・過去最悪のホテル。レビューを読んだ限りでは結構評判が良かったものの、『古いけど清掃が行き届いていて清潔』というのが大方。写真を見る限りでは余り期待も出来なかったが、本当に古い!そして汚い!清潔というのは確かに、ゴミが落ちていないレベル。もうどうしようもないほど古くてガタが来てるホテル。写真を撮ったらメモリーが痛みそうなくらい(笑)。
パリでこのお値段なら、仕方ないのかな・・・。他の同じようなホテルのレビューには、ゴキやねずみが出るとか、スタッフが感じ悪いとか、シャワーのお湯が出ないとか散々だったので、部屋がやばいくらい我慢するべき・・・なんだろうな。

しかし私のパリに対する苦手意識は自分が想像していた以上で、売店の人や擦違う人たちの反応が拍車をかける・・・のか、苦手意識がフィルターを作っているのか、もう良く分からない。
とりあえずホテルが北駅の近くなので本日はモンマルトル周辺を回ったが、日曜ということもあってか信じられないくらいの人で、モンマルトルといえば!という私の浅い知識は脆くもぶっ飛び、良く分からないけどとにかく歩く・・・という結果に。
サクレ・クール寺院までえっちらおっちら坂道を登って行ったが、寺院に入った途端に入り口の係員に持ってもいないカメラをカバンにしまえと言われ、それって私がアジア人だからか?とちょっとイラ着く。だって、やってもいない事で文句言われているわけでしょ?

日曜なので店もほとんどやっておらず、スーパーも見付からず、そしてとにかく水が高い!地下鉄は驚くほど汚いし、道も汚れていてなんだかもう、色々汚い。なんだ?パリって?
こんなことでは楽しめないと苦手意識を払拭しようとしてみたが、そうした途端に物乞いにたかられて、ニーハオニーハオと4~5回言われ・・・。売店の人たちは誰も彼も笑顔1つないし、挙句電話しながら迷惑そうに金を受け取る。いつだって笑顔で感じの良いアイルランドの人々の姿が蘇って、明日にでももう一度戻ろうかしら?なんて・・・。明日はもう少し楽しみたいと思います、はい。

コーク&アイルランドで思うこと(深夜の移動込み)

2012/10/01 04:55 ジャンル: Category:Travel #2012/09#
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30.09.2012 コーク
さて、ここコークが終わればアイルランドの旅は終了。その時間は以外に(計画済みだけど(笑))早くやってきた。深夜0時30分のバスで、一路ダブリン空港へ。
深夜に出ればダブリン空港へは早朝に着き、朝7時発のフランス行きのフライトで移動すれば、1日が有意義に使える、という計算。実は以前コークから空港→オランダで経験済み。少々眠いがやはり時間は大事。

この予定もあって、バス・ステーションに近い今回の宿に決めたのだが、これが大正解も大正解。地図で見るより遥かに近く、徒歩3分ほどの距離。1階がパブで常に賑わっているので、なにやら勝手に心強い。
早めにチェックアウトだけを済ませ、バスの出発場所も現地にて確認。後は僅かな距離でも深夜なだけに危ない目に遭わなければ・・・。
今回の日程を当初から宿には告げていたのだが、どうにもご主人は納得が行かないらしく、ギリギリまで『なんでわざわざそんな時間に・・・』『一晩寝ないつもりか?』などと聞かれ、挙句困惑したように頭を振るばかり。のんびり穏やかなアイリッシュには、少々想像のつかない日本人のせわしなさ、というところかな?(笑)。

予定通り12時を少し回った頃に宿を出て、目的の11番ゲートに行ったらば、既に10名ほどの人が待っていたので重ねて安心。しかし、バス・ステーション自体は閉まっており、閉じたドアのガラス越しに出発ゲートが表示されている。事前に確認しておかなければ、またしてもゲートが解らず右往左往するところだった。
この日のお天気は9月末のアイルランドにあるまじき陽光で、少々日差しが強いと感じる時間もあったほど。さもすれば半そでも行ける?くらいの暖かさだったので、深夜もそれほど寒くなくて助かった。

バスは定刻通りに出発し、定刻より少々早めに到着。深夜の移動だと渋滞が無いので、遅れるかも?という心配が無くてお薦めです(笑)。搭乗の3時間前という理想的な時間に到着し、チェックイン、出国等々無事済ませ、余りにもあっけなくアイルランドを後にしたのでした。

ということで、コークとアイルランドにて思うこと。
コークは本当に、立ち位置としては横浜のようなものだと思う。アイルランドらしさと活気が濃縮され、整備されたという目抜き通りの町並みはさながら銀座のようだし(笑)。愛らしい町並みと近代的な雰囲気をまとめて楽しみたいという方にはお薦めだと思うが、いかんせん小さいので2日あれば足りてしまう。
ついでに、観光地としての機能はいささか劣り、ツーリストインフォメーションは少ないし地味だし、先に書いたように両替も大変だし、お土産物屋も一軒しかない。やはり、ダブリンと併用でそれぞれの特色を楽しむのが良いのだろう。

ちなみに、ジョナサン=リース・マイヤーズとキリアン・マーフィーの出身地だけあって、ダブリンより美男美女が多い!と思うのはきっと私だけではないだろう。コーク大学が近くにあって若い人が多い・・・などというだけではないはず。
ポスト・ジョナサン&キリアンは見つけられなかったが、新しい何がしかになれる、君なら!という素敵な若者は結構沢山いた(笑)。

今回で4度目のアイルランドの旅も、あっという間に終わってしまった。遣り残したことは無いか?買い忘れたものは無いか?(笑)いつもどこかに心残りがある。そしていつも、『帰りたくない~』と、空港で泣きそうになる。
住みたいとは思わないのだが、もっと長くいたいとはいつも思う。不思議なことに、イタリアは1ヶ月、イギリスは2ヶ月滞在して隅々まで回ったのに、アイルランドはいつもショートステイのみ。直行便が無いので常にプラス1都市付いてくる為、どうしても限られた日数の更に半分にせざるを得ない。
でももう今回は本当に、フランスになんか行きたくなかった。最後の数分数秒まで、アイルランドにしがみついていたかった。次こそはせめて丸々アイルランドの旅、出来れば1ヶ月くらい滞在してみたいと思う。

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hiyo

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    最近、自分の時間を充実させたいな、と結構真剣に思っていたりして。文章を書くのも結構楽しいし、誰かが通りすがりに読んでくれたら、嬉しいかな、とか思っている。
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